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セルカンさんのハイパー嘘つき人生にブラボー!

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今週は大阪→愛媛→福岡、と出張旅をしています。ただいま愛媛県の新居浜という街におり、これから松山空港に移動。それにしてもここ数日の四国の暑さはなんだ!30度を超え、太陽ギンギン、なんとかしろーー!と天に叫んでもしょうがないですね。

さて昨晩。ホテルでTVを観ていたら、日本野球機構がプロ野球「統一球」についてウソをついていたニュースが取り上げられていました。また、堺警察署の元警部補が犯罪証拠品(注射器)を捏造していたそうで、「嘘」ネタが多かったわけです。

まあ、人間、自分可愛さについ嘘をつきますので、あとで結果の大きさにに仰天するケースはありますよね。報道で「嘘」というと確信犯的悪人臭がありますが、そんな大それたもんじゃなく、発端は苦し紛れのゴマカシだと思うんです(だから良いというわけではないが)。

ここで本日のテーマですが、そうした「出来心の嘘」を超越したハイパーで本格派の「嘘つき野郎」を思い出したのです。数年前、世間であまり話題にならなかったですが、これはすごい。

「東京大学 助教 セルカン氏の経歴詐称、論文捏造(剽窃)事件」

アニリール・セルカンさんはトルコ出身。ケンブリッジ大学だかの有名校を優秀な成績でご卒業され(披露宴の新郎紹介みたいだなあ)、物理、数学、建築、さまざまな分野で画期的研究をされ、論文をバリバリと発表(まあ、これもほとんどが嘘だったんですが・・・)、アメリカからは名誉勲章を授与され(えっ?)、さらにはスキー競技でトルコのオリンピック強化選手となり(うわわっ)、ついにはNASAの宇宙飛行士となります(おいおい・・・)。そして日本にやってきて研究を続け、東京大学から博士学位を授与されるんですね(これだけは本当です)。

東京大学の助教、精鋭の研究者としてマスコミからインタビューを受けたり、講演会をしたりで、ちょっとした学会ヒーローだったんですね。

ところが2011年だったか、とんでもない事実が発覚。

セルカンさんが自ら掲げていた経歴のほとんどが嘘っぱち、論文や取得特許も「存在が確認できない、あるいは他人のもの」と分ったんです。もちろん名誉勲章も、スキー選手のハナシも、NASAの宇宙飛行士もデタラメ(というより、この人の場合は妄想?)。あげくに東京大学に提出した学位論文は、他の研究者の論文からほとんどコピペしたコラージュ作品だったという。。。。

東京大学はビックリですよ。セルカンさんの自己申告経歴を鵜呑みにして、学位論文の剽窃さえも見抜けずに、詐欺師に博士学位を与えちゃったんですから。内外からの猛烈な批判を受け、東京大学始まって以来、はじめての「博士学位の剥奪」、懲戒免職されセルカンさんは世間から消えたわけです。。。

経歴から研究実績から、ここまで嘘で塗り固めると、デキゴコロとは到底言えませんよね。暴走する嘘もすごいが、いつかはバレるという恐怖はなかったんでしょうか。ほとんど精神病理の研究対象かと思います。

愉快なのはセルカンさん、嘘がばれる前に、日本で数冊の本を書いているんですね。会社の後輩が貸してくれました。いまは絶版の稀少本(?)「宇宙エレベーター」です。

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セルカンさんの正体を知った後だから、もあるけど、本の内容の胡散臭さは一級品です。随所に自分のアピールが出てくるところがナイス。そして帯には、坂本龍一さんが推薦文を書いちゃってるのが痛々しい。坂本さん、いったいどうした!?

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どうです、このヤバイ感じ。。。一家に一冊は欲しいですね。

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ところでAMAZONで、この本を検索すると、中古で「1円」。とんだ食わせ者とはいえ、話題を振りまいたセルカンさんの著作がたったの「1円」とはどうゆうことだ!と、そこに突っ込む私もどうかしていますけどね。あはは。

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