インスタントメッセンジャー「QQ」で知り合った、本科大学を卒業したばかりの女性が日本語を勉強したいと言うので、端午節の3連休に自宅近くの彼女の大学で会う約束をしたが、結局、連絡先を教えてくれず、会えずじまいだった。自分から言い出しておいて直前になると拒絶するとは、ネットを介した出会いにまだ慣れていないのだろう。
3連休の中日に大型スーパー「カルフール」へ行くと、ちまきが半額で売られていた。1カ月前から店頭に並んでおり、贈答用や自宅消費用、具材もさまざまな商品が売られていたが、1個当たりの値段が結構高いので売場を素通りしていた。街中の屋台ではちまきは1個4、5元で通年売られており、それが値ごろ感だ。
端午節が過ぎれば、一気に商品価値がなくなり、また売場スペースも確保できなくなるので、店側も半額セールを実施。中秋節の月餅もそうだが、賞味期限までがまだ日にちがあるのにディスカウント処分するとは、定価販売での粗利率がよほど高いのだろう。
そういえば、今まで加熱済みですぐ食べられるちまきしか買ったことがなく、常温保存のは自宅にある炊飯器でも調理可能なので、初めて買ってみることにした。どういうわけか、海南省内で製造されたちまきは1個15元以上、しかも半額セール対象外だった。どうせ味など大差ないのだからほかの省で作られた豚肉入りと栗入りのを1個ずつ買った。各7.9元で1個買えばもう1個おまけの“買一送一”の対象品だから、1個当たりの価格は約4元で、値ごろ感にもぴったりだ。
日本のちまきは中に具材がなく、砂糖をまぶしたきな粉をつけて食べるのが一般的だが、中国のは具材入りがあたりまえで、学生の話によると、具材のないちまきは東北部でなければ見られないという。具材入りのちまきも、豚ばら肉の脂肪分がもち米にしみているのが結構おいしい。端午節以外の時期でも通年売られており、その点が月餅と異なる。
端午節の売場はちまきに加え、「咸蛋」と呼ばれるアヒルの塩漬け卵とピータンも店頭にスペースを割いて並んでおり、この時期にはちまきといっしょに食べる習慣があるのだろう。咸蛋はそのまま食べると塩気がきつく、おかゆに入れたり、調味料代わりに使われるのが一般的だ。ピータンも個人的感想としてはそれほどうまいものとは言えず、たとえ半額セールを実施していても、決して手に取らない商品である。