何となくtwitterを眺めていたら、今日(5月29日)が内田百間の誕生日だったことを知った。
ここのところ百間先生の作品からつい離れてしまっているけれど、24冊あるちくま文庫版の<内田百間集成>を集めてきて、ようやくあと1冊というところまできた。7年ぐらいかかっっているので、コツコツというよりグダグダと、と言った方が良いのだろう。新品よりも古本として買ったものの方が多いはずで、そんな悠長なことをしているから7年もかかる。さすがに最後の1冊、<蜻蛉玉>ぐらいは新品で買ってみようかと思う。
そうは言いながら、ちくま版で一旦全部読んだとしても、次の目標は旺文社文庫版かなあ、とも思っている。ちくま版では新漢字、現代かな遣いになっているので、もともとの旧字で読む印象とはまた異なっているようにも思えるのである。とは言え、なにせ旺文社版はとっくに絶版になっているので、古本で集めるのも大変なようだ。ネット上で全巻揃いのものの値段を見ると、今の僕の懐具合ではおいそれと手を出しにくいし、かと言ってまたコツコツとやろうとすると、多分7年どころでは済まないはずだ。
僕が百間先生にハマったきっかけは<阿房列車>だった。そこからへそ曲がりやひねくれぶりの可笑しい随筆系の作品の数々を楽しんだ。読み始めた最初の頃は<冥途>や<旅順入場式>の路線のものは正直よく分からなかったのだが、最近になってようやその面白さが理解できるようになってきた。単に作品数が多いから、というばかりでなく、彼の表現の多様さそのものが、何度も読み返せるだけの興味を持続させてくれるのである。
ということで、百間先生の世界への旅について、大きく言えばふた回りめにそろそろ入ろうかなあ、と。
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